地元が大好き!“作り手全員の顔が見える”地産地消パスタに挑む「陽気なパスタ屋のおじさん」【パスタ・デ・スマイル|千葉県船橋市】

地元が大好き!“作り手全員の顔が見える”地産地消パスタに挑む「陽気なパスタ屋のおじさん」【パスタ・デ・スマイル|千葉県船橋市】

船橋駅北口。船橋市民から「船橋東武」の呼び名で親しまれる東武百貨店 船橋店の地下1階。迷いそうなほどに広い“デパ地下”食品街の一角に、生パスタ&ミートソース専門店「パスタ・デ・スマイル」はあります。

 まいぷれのご当地ギフトでは、こちらの生パスタ2種類が味わえる「ふなばし野菜パスタセット」が選べます。

まいぷれのご当地ギフトとは…
ここにしかないこだわりの品を全国に届けたい」そんな想いから生まれたカタログギフト。他の地域では知られていないような魅力あふれる品を厳選しました。地域情報サイトまいぷれ編集部が、余すことなく地域の魅力を詰め込んだ商品カードも特長です。

「こんな感じでどうですか?」インタビューの始めにポートレイト撮影をお願いしたところ、自ら進んで店頭に立ち、ビッグスマイルを見せてくださった「パスタ・デ・スマイル」東武船橋店店長、合同会社オークウェイ代表・富樫義行(とがしよしゆき)さん。
富樫さんは、新小岩にある生パスタの名店「フォークダンス」や、かつて船橋駅前にあった人気店「フォークダンス シャポー船橋店」(2023年1月閉店)の経営者でもあります。

地産地消パスタ「ふなばし野菜パスタ」誕生のきっかけや地元・船橋への想いについて、パスタ・デ・スマイルの店舗でお話を伺いました。

コロナ禍のどん底から生まれた船橋が主役のパスタ

新小岩の生パスタ専門店「フォークダンス」(上の写真)をご存じでしょうか?

店内厨房で丹精込めて仕込む、もちもちでコシのある自家製生パスタとミートソースが自慢の人気店。船橋市の「パスタ・デ・スマイル」は、2023年5月にオープンしたフォークダンス姉妹店です。デパ地下に何気なくやってきて生パスタのとりこになり、毎回同じメニューしか頼まない常連さんもいるのだとか。

その船橋店で味わえるのが、船橋の2大特産野菜、小松菜とにんじんのうま味がギュッと詰まった色鮮やかなオリジナル生パスタ「ふなばし野菜パスタ」。原材料は、船橋産の野菜と高品質な2種類のデュラム小麦、そして塩のみ。野菜の甘みや香りが豊かで、パスタそのもののもちっとした存在感がクセになる美味しさです。(※小松菜パスタ・にんじんパスタは新小岩店でも注文可能)

客席収益の崩壊と新しい価値づくりの必要性

この生パスタが開発されたのは、意外にもコロナ禍に入ってから。2021年夏頃のこと。
 「コロナ禍で飲食業界が大ダメージを受けて、お客さんは来ないし、家賃は毎月かかるし、原材料費や光熱費は高騰するいっぽう。『このままでは、自分がこれまでお世話になってきた飲食の業界も文化も消えてしまう』と危機感を抱きました」

客席(顧客の店舗来店)で収益を得るという、従来の構造をいったん壊して、新しい価値づくりが必要だと考えた富樫さん。「何しろお客さんが来なくて(考える)時間がたくさんありましたからね(笑)」

 そこで独自にたどり着いた4つのキーワードが、ローカル・コミュニティ・カルチャー・SDGsでした。

富樫さんは、生まれも育ちも千葉県船橋市という生粋の船橋っ子。祖母が戦前から営む食堂は地元の繁盛店で、その隣で母は甘味処を営業。幼い頃から店を手伝っていた富樫少年は、いわば食の三代目。持ち前の笑顔は「母親譲り。顔もそっくり!」と笑います。

 大学卒業後はサラリーマンとして食の世界へ。日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社(当時)に入社すると新規事業部門に配属。赤字事業の黒字転換や新商品開発などやりがいのある業務を任され、企業戦士として国内外を奔走する日々を送ります。退職後はその手腕を活かしコンサルティング会社「オークウェイ」を立上げ。現在は、パスタ店店長として現場に立つ傍ら、食のコンサルタントとしてさまざまなお店に携わります。富樫さんは、いわば食ビジネスのプロ。

地産地消の生パスタを作りたい

これまでビジネスにおける数々の課題をチャンスに変えてきた富樫さんは、業界不況の打開策として、自分の得意なパスタで、新しい価値観や付加価値をもつものを生み出せないかと考えます。そして、4つのキーワードに照らし合わせるうちに、地元・船橋特産の野菜でパスタを作ろうと思い立ちます。
まずは、西船橋の小松菜農家・平野代一さんの存在を知ると、持ち前のフットワークの軽さで直接、平野さんの畑へ!

「さすがの平野さんも、私の勢いにちょっと後ずさりしていましたね(笑)」と富樫さん。

平野さんは農業を営みながら地域活性にも熱心に取り組む、地元では有名人。富樫さんの熱意はすぐに伝わり、意気投合。規格外で廃棄される小松菜を活かした「小松菜パウダー」を使った地産地消のパスタ作りが始まりました。

そして船橋の特産といえばもう1つ。「にんじん」です。
富樫さんは、市内のにんじん生産者・勇之焏(ゆうのじょう)農園の柳澤孝行さんにも直接会いに行きます。すると小松菜と同じように、規格外のにんじんを有効活用した加工品、にんじんパウダーがあることが判明。そこから、フードロス削減にもつながる2大特産品を生かしたパスタの製品化が一気に加速します。

川上から川下へ 新しい価値観のパスタが誕生

製粉会社に掛け合い自家製麺技術も総動員。富樫さんは、企画からわずか2~3ヶ月という、個人店としては異例のスピードでオリジナル麺を開発・製品化。
現在、このパスタは「パスタ・デ・スマイル」のメニューとして実際に食べることができます。生産者である平野さんや柳澤さんの地域食材を、富樫さんがパスタにして船橋のお客さんが食べる。まさに「川上(生産者)から川下(消費者)へ」。作り手全員の顔が見える、新しい価値観のパスタの誕生です。

「ふなばし野菜パスタ」の鮮やかな緑色とオレンジ色は、船橋産の野菜の美味しさをそのままあらわしたよう。食べることで地産地消やフードロス削減にも参加できる、食べる人にとっても嬉しいパスタです。

 

通称SD爺s!?  動き出した地域の繋がり

逆境をきっかけに急速に繋がる縁

コロナ禍の逆境から生産者をはじめさまざまな人に会い、急速に人脈ができ始めると、商工会や市役所など、サラリーマン時代にはあまり接点のなかった人たちとの交流も徐々に広がっていきました。そのうちに富樫さんは、地域の農家さん同士が、接点のない「点」であることが気になりはじめます。
「地域の農家さんたちは、同じ農業従事者だけれども、聞くとほとんど交流の機会がないんですね。もっとお互いに情報交換したり、ノウハウを共有したりして、繋がっていったらいいんじゃないかと」
難しいことを考えず、まず集まろうー。そんな形で2022年に始まったのが『ふなばしSDGsの会』でした。

 みんなが活躍できる街に

現在、会のメンバーは20名ほど。特に入会条件などはなく、基本的には誰でもウェルカム。前出の小松菜農家の平野さん(上の写真右)をはじめ、農家や漁師、飲食店経営者など、多種多様。船橋商工会議所を会場に、会議室の机をカタカナの「ロ」の字に並べて、時にはお酒も酌み交わしながらざっくばらんに話します。冒頭の30分だけはテーマを決め、持ち回りでプレゼンテーション。各々の得意分野や悩みを知り、交流する機会にしています。
「ブランディングを含むマーケティングはビジネスの基本ですが、それを知らない人も多い。『ふなばしSDGsの会』を通して、みんなが活躍できる街にしていきたいですね。ゆくゆくは、船橋そのものをブランディングしていけたら」

この活動が楽しく、今いちばん夢中になっているとおっしゃる富樫さん。会はまだ動き出したばかりですが、出会いから生まれる化学反応に、大きな可能性を感じています。

 

“21世紀のカーネルおじさん”地域貢献への想い

 富樫さんが、SNSやメディアで自らを「陽気なパスタ屋のおじさん」と公言するのは、敬愛するカーネル・サンダースがお手本。言わずと知れたケンタッキー・フライド・チキンの創業者です。いつも笑顔で親しみやすく、自らが広告塔となり美味しさで人々を幸せに…。そんなイメージでしょうか。

「デパ地下というと華やかなイメージがありますが、船橋店が出店している東武さんは『地域に根差したデパート』が理念。私も地域に根差し、地元に貢献していきたいと思っています」

月に1度、船橋店で開くパスタ教室も地域貢献の一つ。お子さんも参加できます。

 

まいぷれのご当地ギフトに期待すること

また、今後の飲食業界の在り方として、直販やECサイトなど、店舗集客にとらわれない販路の必要性を強く感じているという富樫さん。まいぷれのご当地ギフトにも期待を寄せてくださっています。

「実は、まいぷれさんにお声がけいただくまで、カタログギフトの仕組みをよく知らなくて…(笑)。ギフトに選択という楽しみが生じるのがとても面白いですね。飲食業界に携わる身としても、店頭以外のいろんなところで商品を露出してもらえるのはありがたいことです。カタログギフトが、ひとつの立派なチャネルとして拡大していくことを期待します。

地元が大好きな、船橋の「陽気なパスタ屋のおじさん」が作ったパスタを選んでいただくことが、地元のものを食べるという、地産地消の一つの機会になったらうれしいですね。野菜嫌いなお子さんが『このにんじんパスタなら食べる』と地元のママが言ってくれます。とにかく多くの方に、パスタを食べて笑顔になっていただけたら」

“21世紀のカーネルおじさん”の挑戦は続きます。

 

パスタ・デ・スマイルのもちもち生パスタ2種類が味わえる!「ふなばし野菜パスタセット」

船橋産の野菜が主役! 農家さんとパスタ屋さんの顔が見えるパスタセットです。「西船橋 小松菜パスタ」(2人前)と「船橋 にんじんパスタ」(1人前)に、トマトミートソース3食分が付いています。
にんじんの甘みと小松菜の香り引き立つ麺の秘密は、地域野菜100%の野菜パウダーを贅沢に練り込み、良質なデュラム小麦と塩だけで仕上げるから。2種類のイタリア産トマトと牛肉のうま味がたっぷりの自家製トマトミートソースは、生パスタとの相性抜群です。
生パスタの茹で時間はわずか3分。ソースもレンジで1分。“時短お助け飯”なのに味はしっかり本格派。食育にもおすすめです。太麺に味わい深いソースが絡む、満足感たっぷりの一皿をお楽しみください。2022年11月千葉県優良県産品認定(推奨期間2年間)。

 

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